子宮体がん・子宮頸がん
女性に多いがんである子宮がんは、子宮体がんと子宮頸がんがあります。
子宮体がんは、子宮内膜がんとも呼ばれ、子宮内膜の細胞が異常増殖する病気です。
しかし、生理のある人ならば毎月の生理によって子宮内膜も毎月剥がれ落ち、がんになる前に排出されてしまいます。
そのため、規則正しい生理のある人は、まずかからない病気で、かかるリスクの大きい人は生理不順の人や更年期の女性です。
初期症状のサインは、閉経前の人ならば生理不順です。
生理時以外に少量の出血があります。
閉経後の人は、赤色・黒色どちらの出血でも、子宮体がんの疑いがあります。
40歳未満で、早期がんの0期ならば、高容量黄体ホルモン療法で60%の人が治ります。
この場合のがん治療では子宮摘出手術は必要ありません。
これ以降の進行がんでは、抗がん剤でがんを小さくしてから手術をする、ネオアジュバンド化学療法が行われます。
子宮頸がんは性交によりHPV(ヒトパピロマウイルス)に感染して起こります。
早期がんであれば、患部だけを切除する円錐(えんすい)切除で直せます。
円錐切除は日帰り手術もでき、妊娠・出産も可能です。
進行がんの場合は、抗がん剤でがんを小さくしてから手術します。
子宮体がんと子宮頸がんは、どちらも早期発見・早期治療が大切です。
早期発見であれば、がん治療は効果的であり、そのために定期的な診断が重要なのです。
子宮体がんの検査は、生理不順の人や更年期の女性、50歳以上の女性は半年に1回が望ましいです。
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抗がん剤
多くの種類のある抗がん剤は、がん治療に欠かせないものです。
がん細胞の分裂が早いことから、がん治療で使われる抗がん剤は、分裂の早い細胞を攻撃する特徴があります。
抗がん剤と言えば強い副作用が想像されますが、抗がん剤の進歩はめざましく、また副作用を和らげる薬もできています。
がんが全身に散らばる可能性があって、局所の手術などでの治癒が難しい場合などで用いられています。
がん細胞は、DNA合成や細胞分裂を頻繁に繰り返し増殖スピードが速いのが特長です。
この性質をもった細胞を抗がん剤は攻撃し、がん細胞の増殖を抑えるのです。
しかし、がん細胞だけでなく、毛髪の細胞も増殖スピードが早いため、抗がん剤の副作用で毛髪の細胞も攻撃されてしまうことがあります。
これが、副作用として毛髪が抜けてしまう理由です。
現在では、がん細胞だけを攻撃し、正常細胞をできるだけ傷つけない抗がん剤、分子標的薬などができています。
抗がん剤の使い方には、手術後、がんが転移、再発しないように使用する場合があります。
また、抗がん剤で大きながんを小さくして手術するのに用いられたりしています。
抗がん剤を複数用いることで、それぞれの抗がん剤の長所を活かし、副作用を少なくし、進行がんを手術できるようになっています。
抗がん剤の種類には、細胞障害性抗がん剤と分子標的治療薬があります。
細胞障害性抗がん剤は、代謝拮抗剤(たいしゃきっこうざい)、毒ガス研究から開発されたアルキル化剤、抗がん性抗生物質、細胞の中にある微小管の働きを止めることにより、がんを死滅させる微小管阻害薬などに分けられます。
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健康食品の危険性
がん治療を続けながら、健康食品を利用している方は少なくありません。
確かに健康食品は薬ではなく食品ですが、摂取する方法によっては、健康になるどころか逆に健康を損ねてしまう危険性もあり、決して過剰に摂って良いという訳ではありません。
ここでは、そんな健康食品について考えていきましょう。
さて、健康食品とは何でしょうか?
一般に販売されている健康に配慮した食品には特定保健用食品(トクホ)や栄養機能食品があります。
特定保健用食品は健康上有効であるという結果が明らかになっている必要があります。
栄養機能食品は、特定のビタミンやミネラル補給のための食品で、国の定めた基準を満たしていれば栄養機能表示が許されます。
トクホの食品は1日の摂取量が表示されているものもあります。
しかし、一般に健康食品として販売されているものは、このような特定保健用食品(トクホ)や栄養機能食品ではありません。
健康食品と言われる商品は、あくまで一般の食品に分類されるものです。
しかも、がんに効果がある特定保健用食品は、今まで販売されていません。
従って、がんに効果のある健康食品という商品は、現在存在してはいないのです。
栄養素には摂取しすぎる体に蓄積するなど、逆に体に悪影響を与えるものもあります。
サプリメントなどを摂りすぎることは、必ずしも健康にはつながりません。
健康食品は、がん治療として摂取するのではなく、あくまで食品として安全な食べ方をしなければならないものなのです。
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ホルモン療法
乳がんが早期発見された山田邦子さんが、外科手術、放射線治療の後、受けているがん治療がホルモン治療です。
ホルモン療法とは、抗ホルモン剤の投与により血液やリンパ液によって全身に散らばった可能性のあるがん細胞の増殖を抑えて、がんの転移・再発を防ぎます。
この療法は、ホルモンが関係する乳がんや子宮体がん、前立腺がんなどに効果のあるがん治療です。
がんの成長に必要なホルモンを止めることで、がん細胞に栄養が届かず、がんの発育の阻止が期待できます。
山田邦子さんが飲んでいるノルバデックス(一般名タモキシフェン)は、エストロゲンという女性ホルモンの働きを妨害して、がんに栄養が届かないようにする治療薬です。
がんの発育阻止のコントロールをする治療薬なので、長期間の治療となります。
ノルバデックスでの治療期間は5年です。
ホルモン療法は正常な細胞を攻撃しないので、吐き気やだるさ、脱毛といった大きな副作用はあまりありません。
しかし、抗ホルモン剤の投与によって更年期障害などの副作用があります。
男性がかかる前立腺がんでは男性ホルモンと強いかかわりがあります。
前立腺がんでは精巣を取ってしまう場合もありますが、それができない場合などは抗ホルモン剤を投与することとなります。
そのため、この場合の抗ホルモン剤は男性ホルモンを抑える女性ホルモン剤を投与します。
このため、副作用で女性と同じような更年期障害の症状が起こることがあります。
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山田邦子さんの乳がん治療
タレントの山田邦子さんは、2007年3月、テレビ朝日系列「最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学」の出演後、番組で紹介された家庭でできる乳がんの視診・触診によって乳房の中のしこりを見つけました。
番組では、乳がんのしこりが触るとどのような感覚なのかを、肉まんの中の梅干の種のような感覚と紹介し、邦子さんが触診したときにも、そのような感覚があり、しこりとわかりました。
検査の結果、左に1つ、右に2つの小指の先ほどの腫瘍が見つかり、医師からは早期発見であると告げられました。
このため、邦子さんのがん治療は乳房を切除することなく、2度の手術の温存手術を受けました。
手術後、同じ番組に出演し、乳がんであったことを報告しました。
温存手術であったため、手術後もがんの病巣根絶のための放射線治療が続きます。
邦子さんは、放射線治療前の説明で、左は進行性のないがんだったものの、右は進行する可能性のある浸潤(しんじゅん)がんであると告げられます。
浸潤とはがんが周囲の組織にもぐりこんでしまうことです。
放射線治療が終わると、次にホルモン剤投与があり、経過観察に8年かかると医師から告げられます。
放射線治療の吐き気などの副作用についても説明がありました。
病院には土日を除く毎日通い、放射線治療が連続30回終わるとホルモン剤投与に移ります。
放射線治療終了後のホルモン投与では、ノルバデックスDという薬を1日1回飲むことになりました。
女性ホルモンを抑える、乳がんにはよく使われる薬です。
服用期間は5年間です。
邦子さんは、乳がんになってから、ピンクリボン運動に参加し、乳がんの早期発見、早期治療の啓発につとめています。
邦子さんの受けたがん治療の体験が、今、多くの人の命を救っているのです。
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悪性胸膜中皮腫とアスベスト
平成19年1月、医薬品会社の日本イーライリリーの悪性胸膜(きょうまく)中皮腫向けの薬、ペメトレキセド(商品名アリムタ)の製造販売が、厚生労働省から承認されました。
悪性胸膜中皮腫は進行してから診断されるため、それまで有効ながん治療の方法がありませんでした。
悪性胸膜中皮腫は、静かな時限爆弾と言われるアスベスト(石綿)吸入が原因のがんで、発症は曝露から20~50年とされています。
中皮は、肺を包んでいる肺膜、胃腸・肝臓などの腹部臓器を包んでいる腹膜、心臓を包んでいる心膜を覆っています。
この中皮から発生した腫瘍が中皮腫で、部位により、胸膜中皮腫・腹膜中皮腫・心膜中皮腫があります。
胸膜中皮者・腹膜中皮腫の原因がアスベストです。
さらに、中皮腫には良性のものと悪性のものがあります。
悪性のものには、1ヶ所にかたまりを形成する限局性のものと、広く胸膜や腹膜に沿って発育する、びまん性のものがあります。
良性のものは、すべて限局性の中皮腫です。
限局性、良性の中皮腫のがん治療では、外科療法での治癒が期待できます。
2005年、大手機器メーカーのクボタが、従業員および周辺住民にアスベストが原因と思われる中皮腫などの疾病が多数発生していることを発表し、社会問題となりました。
アスベストは結晶が繊維状になった鉱物で、熱に強く、化学薬品にも溶けず、加工が楽で価格が安いため、断熱・耐火・吸音など様々な用途で使われました。
天井や壁にセメントと混ぜて吹き付けられ、防火カーテン、ドライヤーなど身近なものまで、3,000種類にものぼる用途に使われました。
アスベスト吸入が原因となる疾病には、悪性中皮腫の他、肺がん、石綿(アスベスト)肺があります。
石綿肺は肺が繊維化してしまう、じん肺(肺繊維症)の1つです。
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肺がん
肺がんは大きく分けると、小細胞がんと非小細胞がんに分けられます。
非小細胞がんは、さらに下記のような種類があります。
・腺がん
内臓の分泌物を出す腺組織にできるがんで、肺がんの60%を占めます。
・扁平上皮がん
肺の入り口付近にできる、気管から気管支内部を覆っている細胞組織にできるがん。
喫煙との関係が大きく、非喫煙者はほとんどかかりません。
転移が遅いので、完全にがんを切除できると治癒の可能性が高く、放射線治療も有効です。
・大細胞がん
肺がんの約5%を占めます。
肺の末梢部に多いがんです。
非小細胞がんは、進行は比較的穏やかなものの、がん治療において抗がん剤が効きにくいがんです。
小細胞がんは、喫煙者や喫煙経験者に起こります。
比較的に他のがん細胞と比べ小さな細胞なので、この名があります。
小細胞がんは、腫瘍の発育が早く、転移を起こしやすいのですが、がん治療において抗がん剤や放射線治療が有効ながんです。
初期症状は小細胞がん・非小細胞がん共に、咳、痰、血痰、発熱、呼吸困難、胸痛、背痛などです。
肺がんの原因は、喫煙、受動喫煙、排ガスなどによる大気汚染、アスベストなどがあげられます。
特に肺がんと喫煙との関係は大きいですが、喫煙は肺がんだけでなく、胃、肝臓、腎臓、骨髄性白血病など他の多くの部位のがんのリスクとなります。
がん予防には、禁煙は最も確実であり、禁煙はがんだけでなく、肺炎や心筋梗塞などの病気の予防にもなるのです。
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肝臓がんの治療
肝臓がんは肝臓から発生したがんである原発性肝がん、他臓器から肝臓に転移したがんである転移性肝がんの2つに大きく分けられます。
肝細胞がんと胆管細胞がんが、原発性肝がんの95%を占めます。
残りの5%には、肝細胞芽腫(小児の肝がん)、成人の肝細胞・胆管細胞混合がんなどがあります。
成人の肝臓がんの90%は肝細胞がんです。
肝臓がんの治療は、外科療法、穿刺療法、肝動脈塞栓術が中心です。
この他に、肝臓のがん治療には放射線療法や化学療法などがあります。
・外科療法
がんを含め肝臓の一部を切除する肝切除は、最も効果的ながん治療の1つです。
肝臓移植は、肝硬変などによって肝切除が困難な場合に行われます。
脳死肝移植はほとんど行われておらず、肝臓移植は生体肝移植が中心となっています。
・穿刺療法
経皮的エタノール注入療法、ラジオ波焼灼療法があります。
ラジオ波焼灼療法の方が少ない回数で優れた効果があるため、現在は穿刺療法においてラジオ波焼灼療法が主流です。
ラジオ波焼灼療法は、体外より特殊な針を肝臓がんに挿し込んで通電し、がんを焼灼する療法です。
がんの大きさが3cmより小さく、個数が3個以下のがんで行われます。
・肝動脈塞栓術
肝動脈を詰まらせ、がんに酸素を供給する血流を遮断してがんを死滅させます。
カテーテルを足の付け根の動脈から肝動脈にいれ、腫瘍近くにカテーテルを挿入します。
そこから、動脈を塞いでしまう薬や、腫瘍を固める薬を挿入します。
このように、肝臓がんの治療では、がんの位置などによって様々な治療法が使われているのです。
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肝臓移植
がん治療の1つに臓器移植があります。
進行性の肝臓がんへのがん治療の最終手段が肝臓移植です。
日本では、1997年に臓器移植法が施行されました。
1989年から血縁者や配偶者等が自分の肝臓の一部を提供する生体肝移植が行われており、臓器移植法が施行されてからも脳死肝移植の数は少なく、生体肝移植の数は増加しています。
生体肝移植は2004年から保険適用ができるようになりました。
日本では、次の症例の人が肝臓移植の対象となります。
・劇症肝炎
肝細胞が壊れ、その肝臓機能が急速に損なわれる病気です。
・先天性肝・胆道疾患
生まれつき、胆道が全部もしくは一部が閉鎖している先天性胆道閉鎖症や胆管が膨らんでいる先天性胆道拡張症などを指します。
・先天性代謝異常症
細胞の中の代謝が生まれつきうまくいかない病気です。
代謝異常のため、余計な物質がたまり、逆に不足して発育障害など様々な障害がでてきます。
・Budd-Chiari(バッド・キアリ)症候群
肝静脈や肝部下大静脈の閉塞で肝臓から出る血液の流れが悪くなって門脈(腹部臓器から血液を集め肝臓に運ぶ血管)の圧力が上昇する疾患です。
・原発性胆汁性肝硬変症
肝臓の中の細い胆管が慢性炎症によって壊され、胆汁が流れにくくなり、肝臓内に胆汁が停滞して起こる病気です。
肝硬変と名がついた病気ですが、必ずしも肝硬変になるわけではありません。
・原発性硬化性胆管炎
慢性炎症で太い胆管が細くなって、胆汁の流れが滞り、最終的には肝硬変や肝不全になってしまいます。
・肝硬変
慢性の肝障害が進行して、肝臓が硬くなり機能が低下する疾患。
・肝細胞がん
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肝臓がんと肝炎ウイルス
肝臓がんは発生の要因がはっきりしているがんの1つです。
主な要因は、肝炎ウイルスの感染です。
長期に渡るウイルス感染によって肝細胞で炎症・再生が繰り返されて遺伝子が変異し、それが積み重なり、肝臓がんへと進展する要因となっています。
肝炎ウイルスにはA、B、C、D、Eと様々な種類がありますが、肝臓がんに関係するものは、BとCです。
世界の肝臓がんのうち約75%がB型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスによるものです。
そのため、B型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスの感染予防と、感染者に対する肝臓がん発生予防が、肝臓がんにならないためには重要です。
肝炎ウイルスに感染すると肝炎という病気になります。
肝炎の症状は全体倦怠感、食欲不振などの症状があります。
感染しても自然治癒してしまう場合もあります。
また、肝炎ウイルスの感染者でも肝炎にはならず、肝炎ウイルスを保持続ける人もいます。
そういう人を肝炎ウイルスのキャリアと呼びます。
肝炎である人もキャリアの人も共に肝臓がんになりやすいので、定期的な検査が必要です。
肝機能に異常のないキャリアの場合は半年に1度、血液検査の数値が高いなど肝機能に異常がある場合は3~4ヵ月に1度の検査が必要となります。
肝炎ウイルスの感染の原因は、母子感染、輸血、性行為、針刺し行為(医師や看護士の針刺し事故など)です。
現在は妊娠中の母親への肝炎ウイルスの感染有無を調べる検査が行われており、母親がB型肝炎ウイルスの感染者と判明した場合、新生児にはすぐにワクチン治療が行われています。
肝臓がんになった場合に行われるがん治療には、外科療法、体の外から針を刺す穿刺療、肝動脈塞栓術が中心となります。
また、肝臓がんになった場合、がん治療を行っても肝炎ウイルスがなくなる訳ではありません。
治療後も定期的な検査が必要となります。

